第254回 北京通州の新人気スポット・早春の櫻花庭院とその付近
京杭運河沿い、より具体的には通州北運河沿いの緑心公園にある“櫻花庭院とその付近”。
東京に滞在中の私は知らなかったけれど、ここは2020年9月下旬に開園した、まだ出来立てほやほやの公園だ。
ここは北京の新たな人気スポット!!
(一体誰がそう言ってるんだ!?)
ここを見ずして北京を語るなかれ!!
(ったく、ヘソで茶を沸かしちゃうぜ!!)
花の時期にはまだ早いだろうなぁと思いながら気温の上昇にふわふわと、そんなお騒がせな“櫻花庭院とその付近”にお邪魔してみた。2022年3月31日。
案の定早い訪れではあったけれど、所どころ咲いている花々には早春の光と香りが凝集しているようで私はすっかり魅了された。
気ままにぶらぶら歩いていると眼前にこんな景色が広がっていた。
どこか親しげな、実にナイーブで静かな田園風景を彷彿させる滋味あふれる景色。
水田。
北京では珍しいのではと思われる木の橋。
そして、何処からともなく飛来した二羽の鳥。
このつつましく味わい深い橋を渡ってみた。
橋は巧妙に仕掛けられたロマンチスト。
渡る人をいったい何処へ連れて行くのか。
さらに歩くと、櫻花庭院。
名前の通り、この周辺は時期が来ると櫻花が咲き乱れるという。
もちろん染井吉野もあり、嬉しさ楽しさ倍増!! 再びお邪魔してみたい。
ちなみにここでは中国茶はもちろんコーヒーなども楽しめ、
静かに流れる贅沢な時間を堪能できる。
ここは北京の人気スポットなんかにならなくて、いい。
ここは誰も見に来なくても、いい。
ここは私だけの別天地なのだ。
ここを訪れて、そんな子供っぽい思いを抱いてしまうのははたして私だけか。
清楚で可憐、穏やかで凛とした花のような佇まいの櫻花庭院とその付近。
北京・通州は新しい時を確実に刻みはじめている。