北京·胡同窯変

北京、胡同散歩が楽しい。足の向くまま気の向くままに北京の胡同を歩いています。旧「北京·胡同窯変」もご覧いただけたらうれしいです。https://blog.goo.ne.jp/hutongyaobian

第266回 胡同回憶・新開路胡同 (後)

今回は西側の新開路胡同を歩きます。


奥の二階建ては64号。手前は64号-1 


こちらは66号院。北向きのため窓が小さめに。


68号院。こちらは北向きのために窓がありません。


70号院。



72号院。



こちらは74号院。北側に窓がありません。


ご覧の通り春聯(門聯)が貼られています。

小さくて見えないかもしれませんが、緑色の円内に「KFC」と印刷されている点に注目。
正月に欠かせない春聯(門聯)を配布するKFC。こんなちょっとした工夫が北京っ子たちに
長く愛される理由の一つになっているのかも・・・。



門鈸(menbo、門環とも。ドア・ノッカー)。


門を守る御門鉄。



76号院。


78号院は旅館です。



カメラの向きを少し変えると建晋東方賓館。




宿泊施設といえば、日本占領下の新開路胡同(当時は新開路)には、日本式の旅館がありました。


【日本旅館】
名称・・・東京旅館
部屋数・・・17室
料金・・・6円~10円
住所・・・新開路41号。


昭和の十年代後半に出版された北京関係の本によると北京の日本式旅館は事変後激増、
「雨後の筍の如く開業するもの続出」し、「日本旅館組合加入の旅館業者は60有余」を
数えるに至っていたそうです。1937年7月の日中戦争以後、日本人の居住者がやや大げさな言い方をすれば爆発的に増えたようです。


ちなみに、この胡同には旅館関係の組合もありました。
具体的には、北京同業組合聯合会所属の「北京日本旅館組合」。
新開路・・・41号。


ついでといっては何ですが、ここには「北京写真機器材料商組合」という組合もありました。住所・・・新開路14号。




方合園家常菜、望京小腰


方合園家常菜は食堂。
望京小腰はバーベキューのチェーン店。






こちらは新開路東総布小学。

もとは新開路小学でしたが2010年7月に東総布小学と統合されました。
小学校ですが立派な校門ですよね。


玄関脇には獅子の像、その横には心のなごむ可愛らしい花壇。




57号院。



59号院。


食堂が並んでいました。


こちらは四川風味の料理を提供する食堂です。


61号ー1




そういえば、日本占領下の新開路には日本の飲食店もありました。
この場合の飲食店とは、すし屋、食堂、喫茶店などを指しています。


亀ノ井・・・新開路西口
オリエンタル・・・新開路西口内路北
寿司清・・・新開路西口
京極(割烹店)・・・・新開路北極閣12号
義士庵・・・47号
晩翠・・・・40号


63号院。




右は65号院。

出入り口は小さいのですが、なかを拝見するとけっこう広いのには驚きました。


お隣りは平価超市。スーパー。


65号ー1。


笑顔の素敵なご店主。


こんなものを見せてくれましたよ。


刺繍。見事な絵柄に拍手してしまった。


道行く人も立ち止まって観てました。


刺繍が好きで、笑顔の素敵な女店主は、プチトマトやサクランボのようにとっても
キュートな女性でした。




こちら新開路胡同69号院は、著名な日本人某氏と関係の
深い場所だといわれています。


ご両親が居住しておられた占領当時は、まだ雑院化していない
四合院住宅だったのは言うまでもありません。今も中庭部分が
残っていましたよ。



文革の際に模様を削り取られてしまった門墩(メンドン)。

門墩は時代の生き証人でもあるのです。




71号院。


門鈸(menbo)



こちらは73号院。





お洒落な門燈のこのお宅も、やはり著名人のお宅だとか。



75号院。


手前から、百貨食品店、晋風刀削面、暁雅美理髪店。


理髪店といえば、日本占領下の新開路には美容院もありました。
ただし、現在の番地と同一かどうかは未確認なので、ご注意を。


【美容院】
堤美粧院・・・新開路71号


この美容院をカフェーの女給さんたちも出勤前に利用していたのかもしれませんね。


【カフェー】
明星・・・新開路185号
北京会館・・・新開路41号
思君苑・・・新開路41号
クロネコ・・・新開路41号
紅姫・・・新開路10号


カフェーがあれば、もちろん料理屋さんだってありました。
料理屋とは、この場合三業の一つで、芸者さんがいましたよ。


【料理屋】
京松・・・新開路71号
梅ヶ枝・・・新開路33号
金泉館・・・新開路37号


【ご報告】
次の記事に「料理屋」「カフェー」などの記事を増補しました。
興味をお持ちの方はご覧ください。


第233回 北京・紅燈幻影《万福巷》増補版
第234回 北京・紅燈幻影《東壁営胡同 》増補版
第238回 北京・紅燈幻影《百順胡同 その三》増補版
第242回 北京・紅燈幻影《韓家胡同 その三》増補版





西総布社区服務站(西総布コミュニティーサービスセンター)



見上げるとツバメがいました。






いよいよ西口に到着。
横切るのは東単北大街。


振り返ってみると、こんな感じ。


西口の南側角。



東単北大街の南方向。


西口の北側角。

写真向かって右は「李先生」という飲食店。左は天津包子で知らない人はいないと言われる「狗不理(ゴウブーリ)亅。


東単北大街の北方向。


ずいぶん歩いたような・・・そうだ、タクシーで帰ろう!!
日本占領下の新開路には、タクシー会社もありました。
遊びつかれたお父さんたちが利用したのかな・・・。


【タクシー会社】
株式会社 北支丸石公司(北京タクシー部)・・・新開路41号


でも、わたし的には、そんな贅沢はいたしません。



わたしがやったことといえば、せいぜいこんなこと。
のどが渇いていたので、お店で冷えたコーヒーを飲みながら美味しいケーキをペロリ。


充実した胡同歩きの後の冷えたコーヒーとケーキはとりわけ美味い!
ケーキ、もう一個ぐらいはいけそうでしたね。

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